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95年3月初め、エジプトから帰国したばかりの僕に大学の成績表が渡された。今回の成績如何で、卒業できるかどうかが決まるのだ。サークルの仲間内でも最左翼派の僕は、今回のテストでみんなを見返してやろうと、虎視眈々とテスト対策に励んでいた。結果は、不可は1つだけで、ほとんどが可と良という卒業するには申し分のない成績であった。
「これでアラスカに行ける!」
そう、僕は卒業式が終わるとすぐに、アラスカに旅することを前々から計画していたのだ。先日、30日間の中東旅行を終え帰国したばかりなのに、もう次の旅行のことを考えていた。人は僕のことを「旅行馬鹿」と呼ぶかもしれない。しかし、4月に就職を控えた僕にとって、このアラスカ行きは絶対はずせないものだったのだ。「就職したらもう長期旅行は行けないかもしれない」という思いが僕にはあった。ましてや、アラスカなんて・・・
幼いころの僕の夢は宇宙飛行士だった。小学校の作文には宇宙飛行士になりたいと書いてある。そのころからオーロラには憧れがあった。宇宙から降り注ぐ光のカーテン。オーロラは幼い僕の心を掴んで離さなかった。オーロラを見るためにアラスカに行く。調べると、オーロラのよく見える時期は2月から4月上旬までという。仕事についたら2月から4月というのは一年でもっとも忙しい時期になるだろう。行くなら今しかない。「ラストチャンス」
卒業式から2日後、僕はアラスカ・アンカレッジへと旅立った。2度目の卒業旅行だった。
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