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 2.Wait for a bus !!
 リベルダーデの地下鉄出口を出ると、醤油の匂いが鼻をついてくる。駅前の通りには、屋台が20軒ほどずらっと並び、焼き鳥や掻揚天ぷら、焼きそばといった日本料理を作って売っている。どの店も大勢の客でごったがえしていた。まさに日本の屋台と同じ!ジャパニーズパワーを強く感じ、日本の文化がこうしてブラジルに受け入れられていることを嬉しく思った。
リベルターデ
リベルターデの日本人街
 とりあえず、目当てのホテルに向かったのだが、潰れているみたいで閉まっていた。仕方なく、近くのボロ宿に飛び入りした。
 「今日、泊りたいんですけど」
 ホテルのおばあさんは見るからに日本人、でも、流暢な日本語はしゃべれない。日系2世とかなのだろうか? 部屋を見せてもらって、すぐにチェックイン。とても質素な部屋だったが、掃除が行き届いていて、好感が持てた。

 荷物を置いて、少しだけ休憩し、すぐに街に出た。日本人街だけあって、至る所に日本語で書かれた看板が掲げられている。日本料理屋や日本食を扱うスーパーなど、日本のとある風景という感じもする。僕たちはさっそく、駅前の屋台に行って、ビールと焼き鳥を注文した。焼き鳥は、日本のものよりも肉が大きく、炭火で焼いているため、香ばしくてうまい。ビールと最高にマッチしている。日本食の美味しさを改めて感じた。

 地下鉄で、再びペプブリカ公園へ行って、公園内のツーリストインフォメーションに入っていった。
 「futebol(サッカー)の試合を見たいんですけど?」
 「あ〜、そういえば今日ゲームがあるわ。」
 と言って、インフォメーションの女の人が、「公園横にバス停があるから、そこからこのバスに乗るといいわ。」と、バスの番号を書いたメモを渡してくれた。バッチリである。ちょうど、午後2時ぐらいだったので、今から行けば、夕方から始まるゲームには充分間に合うだろう。(ちなみに、「地球の歩き方」には、ゲームは土日は16:00〜17:00に開始されると書いてあった。)
 僕たちは、インフォメーションを出て、100mほど離れたバス停で、そのバスを待つことにした。バス停には多くのブラジル人が待っており、様々な場所へ向かう数多くのバスが停車した。しかし、バス停には、特にバスの番号や行き先が表示されているわけでもなく、バスのシステムをよく理解したものでなければ、使うことは難しいそうだ。
 10分、20分、30分...待てども待てども、サッカー場行きのバスが来ない。そして、1時間が経過したとき、やっとお目当てのバスがこっちに向かって走ってきた。
 「やっとか...」
バスを待つのだが...
バスを待つのだが...
 僕はホッとして、腰を挙げ、大きく手を上げて、バスに乗る意思表示をした。が、しかし! 無情にもバスは僕たちの横を走り抜け、100mほど離れたインフォメーション横で停車した。あっけにとられた僕たちは荷物を持って、急いで走り出したが、走りつく前にバスは出発してしまった。
 どうやら、インフォメーションで教えてもらった「ここを出てすぐのバス停」というのは、本当にインフォメーションのすぐ横のバス停だったようだ。しかし、そこには、全く何の標識もなく、僕たちは、歩いて100m離れたバス停で待っていた。
 再び、そのバス停で待つことになった。結局、バスに乗ることができたのは、2時間後。心身ともに待ちくたびれていた。時計は3時をとっくに過ぎていた。乗り込んだバスはガラガラ。何となく、嫌な胸騒ぎがする。
 「もしかして...」
 僕の予感は的中した。バスに揺られて40分。サンパウロ市の中心部からはかなり離れたところまでやってきた。ある通りで、急に車が混みだし、渋滞してきた。今までとは様子が違う。通りの歩道には、FCサンパウロの赤と黒のユニフォームを着た人たちが僕たちとは反対方向に歩いている。

 そして、10分後。左手に大きなコンクリートの競技場が現れた。これがブラジルサッカー界の雄サンパウロFCのホーム「モンビースタジアム」だ。そして、スタジアムの周りは、赤と黒のユニフォームを着たサポーターたちで溢れていて、お祭り騒ぎのように喜んでいる。
 どうみても、明らかだった。「試合は終わったんだ。」
 ゲームはサンパウロFCが相手チームに5点を入れて、圧勝したらしく、スタジアムの周囲はいつも以上に沸いていた。僕はただただ虚しく、「バス停さえ間違わなければ...、もう少し早くスタジアムに行っていれば...、もっと調べていれば...」と後悔していた。

 結局、バスから降りることも出来ず、そのまま、乗って来たバスで折り返し、ペプブリカ公園に戻った。公園に着いたのは、すっかり夜になってから。
 大切なサンパウロの1日が無情にも終わった。
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