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 10.ペトラ
 先ほど飲んだ薬のお陰で、ベットでしばらく横になっていると眠くなってきた。
 ふと気が付くと、30分ほど眠っていたのだろうか。少し寝汗をかいていた。僅かな睡眠時間ではあったが、なんだか体が少し楽になったような気がした。
「いける」
 それまでは今日は完全に休養して、ペトラ遺跡には明日行くつもりだった。でも、この状態ならいけるかもしれない。確かに今日ゆっくりするというのが最善の策ではあるのだろう。でも、早くペトラ遺跡を見てみたかったのだ。一度思い立ったら、じっとしていられないというのが僕の性格。多少体に疲れはあったが、すぐに服を着替えて、ホテルを後にした。近くにあったレストランで軽い食事をして、遺跡の入り口へと向かった。さあ、ペトラ遺跡へGO!
 入り口で20JD(日本円で約3000円)を払い中へ。数年前までは5JDだったのに、近年の人気で急に高くなったらしい。歩いている途中で一緒になったイギリス人男性旅行者と一緒に歩いていた。
 荒涼とした砂利道、2000年前とほぼ同じ風景だろうか。体は興奮状態のためか、それほどつらくはなかった。イギリス人としゃべりながら楽しく歩いた。
これがエル・カズネだ!
やったぜ!エド・ディル制覇
 しばらく歩いていると、シークと呼ばれる高い岩山に挟まれた小道へ。壁の高さ50〜60m程はあるだろうか、日中だというのにほとんど光が入ってこない暗い小道を進んでいくと、あの遺跡が目に入ってきた。
 エル・カズネである。
 インディージョーンズ最後の聖戦で、その聖なる神殿として登場した遺跡だ。映画のお陰で有名になり、多くの観光客がここを訪れるようになった。あの映画で見たときも岩の裂け目の細い道を抜けると目の前に巨大な神殿が現われた。それと全く同じシーンを味わった。まさに「秘密の」という感じである。
 高さ40m。巨大な絶壁をくり貫いて作られた宝物殿。正式名はカズネ・ファルウン。「ファラオの宝物庫」という意味らしい。紀元前1世紀頃に建造されたもので、経年の風化で5体の彫像は崩れているものの、その保存状態は良い。間近でその神殿を見上げ、仰け反るような大きさに圧倒された。すごい!
もうダウン寸前  僕たちはさらに奥にある巨大遺跡エド・ディルを目指し回廊を進んでゆく、上り下りの多い岩道。何度も水を補給し、奥へと進んでゆく。途中でトルコのカッパドキアで会った小谷さんと藤巻さんに偶然会った。彼女たちも同じ時にペトラに来ていたのだ。
 エド・ディルとは、修道院跡で、先ほどのエル・カズネとエド・ディルが2大名物遺跡となっている。しかし、エド・ディルはかなり険しい道を登らないとたどり着けない。まだ完全に復調していない僕にはきつかった。でも、ここで引き返すわけには行かない。なんとしても見てみたい!必至になって登った。
 1時間後やっとお目当ての巨大遺跡を目の前にすることができた。高さ45m、幅50m。とてつもなく大きい建造物。それも1枚岩を削って生まれたものだ。また圧倒されてしまった。
 そして僕はこの場所で、今回の旅でとても重要な出会いをするのだった。
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