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 20.End of the Road
 カイロに到着したのは、夜の7時だった。もう数日でラマダンが明けるらしく、カイロの町は、お祭りごとのようににぎやかだった。僕は宿をとるために、安宿を何件も探していたが、どうしてか、何処もいっぱいで、1時間ぐらい街中を彷徨っていた。途方にくれ、当てもなく歩いていると、一人のエジプト人が僕に声をかけてきた。
 「どうした、泊る所がないのか?」
 「ハイ、もう1時間近く探しているですけど・・」
 「日本人か?」
 「ええ。」
 「じゃあ、うちのホテルに来なさい。半額で泊めさせてあげるよ。」
 と言い、名刺を差し出してきた。なんでも2つ星?ホテルのオーナーらしい。数十年前に、日本人と文通をしていたそうで、日本人には特別な思いがあるらしく、僕を助けてくれた。彼に連れてられ、そのホテルで1泊することになった。かなり歴史のあるホテルらしく、アンティークな雰囲気。僕は20ドル程で、シャワーと朝食の付いたきれいなホテルに泊ることができた。そして、彼の計らいに、心から感謝した。
 翌朝、カイロ空港に向かい、シンガポール行きの飛行機に乗り込んだ。自分の座席に座ると、向こうから何だか見たことのある顔が歩いてくる。よく見ると、イスタンブール行きの飛行機で隣の席だった白川君だった。そして彼はまた、僕の隣の席へ。サウジアラビアの空港で
 「ええっ!」
 お互い顔を見合わせながら、すごい偶然にビックリし合った。
 当初、白川君はトルコ〜ギリシャ〜エジプトと周り、もう少しこっちに滞在しているはずだった。しかし、会社の研修の都合で、急遽緊急帰国することになったらしい。それが偶々僕と同じ飛行機で、隣同士の座席になったのだ。
 まるで昔から知っている旧友のようだった。互いの旅の話に花が咲き、時間はあっという間に過ぎていた。
 そして、関西空港に到着。
 僕の旅は終わった。とてつもなく長い道程に思えた中近東の旅。それは、点ではなく、線の旅だった。イスタンブールからカイロまでを陸路を走り抜け、線としてつなぐことができた。駆け足だったが、地球を感じ、歴史を感じ、人と触れ合った。僕の人生にとって、この旅は一瞬だろう。しかし、この旅は僕を少し人間として大きくしてくれた。そんな気がする。

 I crossed the Middle East.


 

(完)

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