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 2.Prayer -Nepal Trek 1998-
 タメルに戻ってくるともう夕方だった。町の中を歩いていると、いろんな旅行会社が声をかけてくる。トレッキングの情報収集のため何社かを覗いてみた。その値段とか日数などをある程度聞き、「どうせポカラに行ってから選べばいいや」と思っていた。しかし、ぶらりと立ち寄った旅行会社で話を聞くと、そのトレッキングのパーミッションをカトマンズで取っておいた方がいいと言う。明日、手続きをして、明後日ポカラに行くというスケジュールになれば、向こうに着いてものんびりとガイド探しもできそうにない。時間は有効に使いたい。そして、その旅行会社の社長は流暢な日本で、とても親切に僕のプランニングをしてくれた。そう考えると、自分で全てをすることが、とても面倒な作業に思えてきた。カトマンズからガイドを雇っていくのも悪くはない。
 ヒマラヤの常識からいって、初心者にとっては、1人でトレッキングするのはとても危険な行為である。だから、ガイドはどうしても必要だ。ただ、普通に考えればポカラで雇う方が安くつくだろう。しかし・・。これも何かの縁かもしれない。僕の滞在日数に合わせて考えてくれたプランは、11日間のムクティナートへのトレッキングプランだった。これはポカラ〜ティケドゥンガ〜ゴレパニ〜タトパニ・・と8000m級のアンナプルナ連峰を眺めながら、その周囲を周り、チベット仏教の聖地ムクティナート(3798m)を目指すというものだ。帰りは、ムクティナートの近くの町ジョムソンから飛行機でポカラに戻ってくる。他のトレッキングに比べると、僕とガイドの飛行機代が高くつく。だが、アンナプルナ・トレッキングといえば、ゴレパニ岳に行く4日間程度のものがポピュラーであるが、なかなかムクティナートまで行くやつは少ないらしい。行ってみる価値はある。そう考えると、ここで契約して、ガイドと一緒に行くのが得策かと考えた。
ストゥーパの前で まるで門前町
 僕は"OK"して、金を払い、明後日のポカラ行きを決めた。

 翌日、ネパール最大のストゥーパ(仏塔)のあるボダナートへと向かった。満員のバスに乗ること1時間、ボーダナートは日本でいう門前町のような雰囲気の町だった。通りには多くの商店が軒を並べ、僧侶も多い。そして、境内に入ると巨大な仏塔が建っていた。何層もの台座の上に大きな白いドームが乗っかって、その上に顔の絵が描かれた黄金の塔が建っている。高さは30mほどだろう。さすがはネパール最大の仏塔である。
 このボダナートは、チベット仏教の巡礼地で、かつてカトマンズとラサとを結ぶ交易が盛んだった時代に、チベットからの商人や巡礼者が「無事にヒマラヤ越えができますように」と、必ずここに立ち寄り、旅の安全を祈願したそうだ。
 そして、僕も、かつてチベットとの交易が盛んだったジョムソン街道を通り、チベット仏教の聖地ムクティナートに向かう。そんなわけで、この地にやってきたのには、深い意味があるのだ。僕はこの仏塔に旅の安全と成功を祈願した。明日はポカラへ。
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