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 3.Departure -Nepal Trek 1998-
 翌朝、僕はカトマンドゥを発ち、ポカラへと向かった。相棒はガイドのクル。昨日旅行会社で紹介された21歳の若者だ。日本語は話せないが、英語は流暢に話す。マナスルの麓、ゴルカ出身の熱心な仏教徒。アンナプルナには何度も行ったことがあるが、ムクティナートへ行くのは初めてらしい。仏教徒である彼にとって、それは非常にラッキーなことであるらしい。
 カトマンドゥからポカラまではバスで約8時間の道程だった。カトマンドゥ〜ポカラ間はネパールでも最もポピュラーなルートであるにもかかわらず、道路は悪く、崖崩れを起しているところも幾つかあった。峠をいくつも超え、激しく揺れるバスを耐えて、なんとかポカラにたどり着いた。
左がマチャプチャレ 右がアンナプルナV峰 ポカラはまさしく桃源郷だった。ホテルの目の前には緑に囲まれた美しい湖・ペワ湖が輝き、ホテルの背後にはアンナプルナの山々が見える。真っ青な空に浮かんだ大きな入道雲のその上に、鋭い頭を出しているのは、マチャプチャレ(6993m)である。スイスのマッターホルンを思い出させる美しい姿は、神の山としての気品がある。マチャプチャレはネパールのマッターホルンと呼ばれている。ただ、マッターホルンと違うのは、その姿が数段上に見えることだろう。このマチャプチャレは宗教的な理由で、長い間、登頂が禁止されている。
 また、ポカラの町はのんびりとしたアジアの雰囲気を持ち、観光地でありながらも、昔ながらの良さを残したものであった。世界のバックパッカーがこの地に集まり、長居をするというのも頷ける。
 翌朝、僕は早起きして、日の出前にホテルの屋上に上がり、カメラをセットした。しばらくして、日が射してくると、アンナプルナの山々がオレンジ色に輝く、何ともいえない素晴らしい光景が広がった。神が現れた、そんな神聖さがある。その中でも、天を切り裂くような鋭い頂を持つマチャプチャレの姿は素晴らしく美しかった。
ティケドゥンガを出発 僕はポカラからトレッキングの出発地ナヤプルまでバスで行き、初日の目的地ティケドゥンガを目指した。僕の重いバックパックをガイドのクルが持ち、僕が彼のバックパックを持つ。若いが、彼は頼りになりそうだ。
 こうして僕は聖地ムクティナートまでの長い道程を歩き始めた。
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