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 8.FizRoy I -新婚旅行はパタゴニア-
過酷なバスの旅
過酷なバスの旅
僕がフィッツロイを最初に見たのも、ナショナルジオグラフィークの写真だった(と思う)。紺碧の空にそそり立つ絶壁。それはこれまで見たことのない強烈な印象を与える山だった。高さは3405mと決して高くはないが、パタゴニアで最も有名な名山として、世界百名山にも選ばれている。ちなみに名前はビーグル号船長のフィッツロイに由来しているらしい。このそそり立つ壁を見るために、僕はパタゴニアに行ってみたかった。

カラファテからエルチェルテンへの道は、最悪そのものだった。道路は舗装されていなくて、走ると大きな砂煙をあげる。しかもデコボコ道のため、バスの上下動は半端じゃない。それが約4時間も続く。僕たち2人はバンダナで口を塞ぎ、目を瞑っているだけで、精一杯だった。少しでも早くついてくれ、早く時間が経ってほしい、そう願うだけだった。そんな状況下でも、欧米人は恐ろしく強靭だ。ガンガン揺れるバスの中で余裕の表情で本を読んでいる。ホントすげぇ!

バスの窓からの見えるフィッツロイ 黄色い花が美しい
バスの窓から見えるフィッツロイ 黄色い花が美しい
12時過ぎにようやく砂煙から開放され、緑のある村に入ってきた。バスの窓からそそり立つ絶壁「フィッツロイ」の山々が見えた。この山の現地名は「チャルテン」、煙をはく山という意味。活火山でもないこの山がそのように呼ばれるには、雲が年中、煙をはいているかのようにかかっているからである。それだけわざわざこの地に来ても、フィッツロイの全貌を見ることができた人は少ない。しかし、この日の天候は快晴。フィッツロイもくっきり見える。さすが僕は晴れ男だなぁとつくづく思った。カラファテから予約しておいたユースホテルにすぐにチェックインし、埃だらけの顔を洗った。過酷なバス移動で、嫁も相当疲れているはずだ。でも、僕たちは軽く食事をしただけで、すぐフィッツロイに向かうことにした。一泊するから明日ゆっくり行っても良かったのだが、明日がいい天気であるとは限らない。近くまでいけないにしても、天候の良いうちに少しでも近くに行って見てみたいと思った。ちなみに、嫁は神戸の六甲山の麓に住んでいる。小さい頃から毎週のように山登りしていたらしく、女の子だけど登山力はある。

僕たちは地図とスナック類、水を買って、すぐに出発した。村を出て、森の中を登っていく。森を抜けると、一面、モコモコした黄色い植物が広がる不思議な世界が現れる。はっきり言って、フィッツロイへのルートは本当に素晴らしい。しかも、登山者の絶対数が少ないので、その光景を独り占めできる!すごいぞ。
ただ、ここで大きなトラブルが襲った。それは、「まさか!こんなところで!この時期に!」というようなトラブルだった。
鼻水とくしゃみが止まらず、目が痒くてたまらない、頭もボッーとする病気・・そう、花粉症になってしまったのだ。僕は極度の花粉症患者。でも、まさかパタゴニアで発病するとは思ってもいなかった。しかし、南米は春なのだ。油断していた。とりあえず、サングラスで花粉を防ぎ、タオルハンカチで鼻をかみながら歩く。かなり重症だけど、薬はない。
花粉症でフラフラになりながらも時間が経つにつれて、徐々にフィッツロイとの距離が近くなってきた。近づく度に、写真を撮りまくってしまう。ホント絵になる山だ。
まさに快晴
まさに快晴、楽しみは明日へ
ようやく、キャンプ場まで登ってきた。でも、そろそろタイムリミットが近づいている。明るいうちにエルチャルテンに引き返さなければ道に迷ってしまう。最後のお楽しみは明日に残しておくことにした。明朝、フィッツロイが目の前に見えるという美しい湖「ロス・トーレス」を目指すことにして、山を降りた。
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