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夏も近いある日の晩だった。
「・・・だから、言ってくるのが遅すぎるよ。おれはもう行くとこ決めたし。今年は他をあたってくれ。じゃあな。」
ガチャ。
やれやれ、俺のスケジュールはアイドル並に過密なんだぞ。今頃言ってきて、空いてるわけないやろ。
・・・しかし、行き先だけは大いに興味をひくものだったな。
ま、いいや。奴を偵察隊として、いつか行こう。あの場所には。
そう、俺のこの夏の旅行は早々と決まっていた。知り合いの女の子グループに便乗。といっても2ポイントぐらいに同行し、あとは個人行動。これなら写真もいっぱい撮ってもらえるし、寂しくも無く、ほどよく自分の世界にもひたれる。部屋のテレビでは郷ひろみがHYPER GO号をひきつれて歌い、踊っていた。
俺もこの夏はこんな感じでGALを引きつれるかな?
「GO,GO,GO,GO!」
旅に行くという心踊る気持ちにこの曲はピッタリ合い、テレビが終わっても俺の頭の中で鳴り響いていた。
しかしそれから2週間後、思わぬ形でサビの歌詞を聞くことになる。夜遅く携帯から聞こえてきた言葉。
「ごめん、なかったことにして・・」
なんでもメンバー間の日程の調整が合わなかったらしい。
こうして俺の記念すべき2000年ミレニアム旅行はいきなり暗礁に乗り上げることになった。 |
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