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 8.Mission Impossible -行くしかないだろVenezuela-
 バックからカメラを取り出し、エンジェルフォールを写真に収めた。ある意味、この写真を撮るためにベネズエラにやってきたのだ。目的を達成し、僕がその余韻にふけっていると、Maruがバックの中からごそごそと何かを取り出そうとしていた。 
 「やっぱりアレをするのか?」
エンジェルフォールでエンジェルパイを食べる  彼はこのエンジェルフォールでたぶん今まで誰もやったことのない驚くべき計画を実行しようとしていた。事前に、その計画を打ち明けられた僕も、呆れて開いた口がふさがらなかった。そして、その計画は実行された。Maruがバックから取り出したのは小さなお菓子箱。
 実は、ベネズエラに行く約1ヶ月ほど前、某テレビ局で「反町隆志が泣いた。キリマンジャロ登頂!!」(正確ではないが)という番組がやっていた。まあ、俳優の反町隆志が苦しみながらもキリマンジャロ山に登り、泣いたというドキュメント番組なのだけど、その中で彼は、キリマンジャロ山頂でキリマンジャロコーヒーを飲むという目標を立て、それを見事達成したのだった。今回のMaruの計画は、その番組による影響が大きい。
 Maruが取り出したお菓子箱というのは、「森永エンジェルパイ」。今や、ほとんど店頭で見かけることのないとても甘いチョコレートパイを、Maruは遥々日本からベネズエラ秘境エンジェルフォールまで持ってきていた。そう、Maruの計画というのは、「エンジェルフォールでエンジェルパイを食べる」という多分だれもやったことのない計画なのだ。
 菓子箱を開け、エンジェルパイを食べながら、ビデオに向かってコメントするMaru。確かにこのギャグ(計画)、外国人にとっては何のことか分からないものである。しかし、偶々このエリアには数名の日本人ツアー客がいた。当然、我々の話していることも分かるし、大きな声でビデオに向かって話すMaruの行動と言動に笑いを堪えきれない様子だ。ビデオを撮り終えると、日本人のおばちゃんがMaruに、
「高校生、それとも大学生?」とニコニコしながら聞いてきた。まさかこんな秘境にまで来て、こんなギャグをする社会人がいるとは考えもしないだろう。おばちゃんはMaruの「社会人です。27歳。」という答えに驚いた様子だった。

 その後、我々一行はエンジェルフォールから200mほど下ったところにある滝へ向かった。この滝壷で、エンジェルフォールを見ながら一泳ぎする。階段状になっているその滝は、高さこそ15mほどであるが、エンジェルフォールから流れ落ちた水がこの滝にそのまま流れ込んでいるため、かなりの水量と迫力があり、大興奮した。
1年間で南米を縦断するという島田さん 激しい滝の流れだ
丸焼きチキンを食べる 泳ぎ終え、ボートが停まっている岸に戻ってきた。登りより降り、往路よりも復路の方が怪我をしていた足には辛く、帰り道は常に痛みが走ったが、何ともない振りをして岸まで戻ってきた。岸ではチキンが丁度焼きあがったところで、疲れた身体には冷たい水と焼きたてのチキンがとても美味しく感じられた。食事を終え、再びボートに乗って、今朝泊っていたキャンプ場へと戻った。ここでもう1泊し、明朝カナイマの町に戻り、ツアーは終了となる。

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