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 13.PHENIX RISING -失われた魂を求めて-
 そう、おれの思索(妄想)を破った影の主はFunkyMT。
「何してんねん、大丈夫か〜。」
全然相手を気遣ってない、やる気のない口調。それでも俺に1つのことを気付かせるには十分だった。このままダウンしてこの旅行の行程を止めるようなことになったら、FunkyMTと黒嶋さんに申し訳無い。旅行中にダウンしてみんなの足を止めたなんてことになったら、Maru家末代までの恥。FunkyMTは帰国してみんなにこのことをふれまわるだろう。そうなるとおれは旅人として一生消えないへタレの烙印を押されることになる。
 確かに俺はなにをやってもパッとしない男だ。それでも他のことならともかく、自分の大好きなもの(=旅)に関しては、何人たりともへタレ呼ばわりはさせない!
「ぬおぉぉぉぉっっっ!!!」
 俺は渾身の力をこめて立ち上がった。
 立ち上がったはいいが、しんどいものはしんどい。吐いた後は脱水症状になるから水分を取れ、という黒嶋さんの助言でアイスミルクを頼んだ。注文した後になってFunkyMTは「お前なー、途上国のミルクは日本みたく殺菌してないから腹こわすらしいぞ。しんどいのに、ようそんなもん頼むわ。」
とさらっと言いやがった。そういう事は先に言わんかい!しかし、そのアイスミルクがよかったのである。一口飲んで、こいつはうまい!とブッとんだ。体にエナジーが湧きおこるような感覚が確かにあった。グラス一杯を飲み終わると、なんとか普通に動けるようになった。ジンバブエ・ミルクさまさまだ。
 とりあえずホテルに戻り、今度はテントでなくちゃんとした部屋を借り体を休めた。出発は真夜中の1時、それまで時間はたっぷりある。2,3時間仮眠をとると、体調はとりあえず回復。みんなで街中をぶらつくことにした。俺は病みあがりなので念のためFunkyMTにもらった"熱冷まシート"をおでこに貼って
の外出となった。これがあんなことになろうとは・・・
 デテの若者A「おい、見ろよ、あの日本人、おでこに変なもの貼ってるぜ。」
    若者B「ああ、けどあいつイカしてんじゃん?きっと日本の最先端のファッションだぜ」
    若者A「じゃあ、そのうちジンバブエでも流行るかもしれないな」
    若者B「俺達もやっとこうぜ。時代を先取りだ!」
というわけで、今頃デテの街では"熱冷まシートもどき"をおでこに貼った若者がいっぱいいることだろう。俺の軽率な行動で、彼らには悪いことをした。服買ってお茶して、列車の切符のメドもつけて、夕食を食べる頃になると再び体調が崩れ出した。一時的に回復したのは薬で熱を抑えていただけで薬が切れるとまた熱が出てきたのだ。他人の目にもあきらかにしんどそうだったらしく、FunkyMTとMr.Kuroshimaが「大丈夫か?」としきりに聞いてくる。なんとか彼らを安心させねば、と
 「ちょっとしんどいけど、明日の7時(=ビクトリア到着の時間)には絶対復活してるから」と言っておいた。勿論ただのはったりである。しかしその言葉とは裏腹に体調は下り坂、悪くなる一方だ。ビクトリア行きの夜行列車に乗る直前、駅のホームで夕食に食べた分全てをもどした。こそっと吐いて、2人に気付かれないよう平気な顔して戻った。これ以上、心配かけられないからな。そして<もうあかんかも>と弱気になりそうな自分自身に必死で信じこませた。
 「明日の7時には、絶対復活するんだ!」  
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