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Rapid#7,#8もラッセンの絶妙なオールさばきでクリアー。#8;THE MUNCHER<MUNCH:(動)むしゃむしゃ食べる>に差し掛かる前にラッセンが尋ねてきた。
「次の急流はコース取りによって3つの難度が選べるんだけど、どれにする?」
みんなで相談を、と思ったらFunkyMTが勝手に答えていた。
「HARD!」(そもそもFunkyMTは何事も極端に走る傾向がある。この前も友人夫妻の家でカレーを作ったとき、勝手にジャワカレーの辛口を買ってきたし。俺のようなバーモントカレーの甘口で育った人間だっているんだぞ!)
他のボートが簡単なコースを選んで突破していった後、俺達のアタックが始まった。急流は「久しぶりの獲物だ、いただき!」とばかりにラッセン号を呑み込みにかかる。その牙はとんでもなく鋭く激しく俺達に襲いかかる。ビデオで見てみると前後からの激しい波でボートはV字に折れ曲がり、呑みこまれる寸前。しかしラッセンは体勢を崩しほとんど寝転がっている状態でもオールを離さず、見事体勢を整え直して突破した。人間離れしたこの動きは今見ても信じがたい。鬼神のようなラッセンのオールさばきで残る急流も乗り切り昼食ポイントについた。同乗のカナダ人夫妻は午前のみなのでここで終了だ。
ジンバブエの8月は日本の春先ぐらいで当然水温も低い。ウエットスーツを着ていても、このビジュアル系の体型では水をかぶると震えがくる。昼食で温かいコーヒーを飲んでひなたぼっこで体を乾かし体調を整えて午後からの行程に臨む。
午後からはラッセンに頼んでオールで漕ぐコースに変えてもらった。やはりつかまっているだけではもの足りない。Rapid#11,#12と軽快に突破、「なんだ、オールのコースでもたいしたことないやん。」と気が緩んでいた俺達をrapid#13;THE MOTHERの強烈な波がふっ飛ばした。ボートがすごい角度で傾き、次の瞬間は水の中。
「転覆だ!」
心の中でそう叫んだ。とりあえず、浮上しなければならない。パ二くる気持ちを抑えて冷静に自分に言い聞かせた。「大丈夫、ライフジャケットがあるから絶対に浮かんでくる。」実際、3,4秒後には浮かんできて、顔が水面を突き出た。よかった、助かった、と思った次の瞬間!強烈な波が俺を襲った。サッパーン!がぶがぶ!(→水をしこたま飲んでいる音)
今度はさすがにあせった。必死の思いで浮上して近くにいたカヤックにつかまった。ようやく落ち着いてまわりを見渡すと、ラッセンが何事もなかったかのようにボートに乗っていた。転覆したわけではなかったらしい。それでも他は全員振り落とされていたのに。恐るべし、ラッセン!
ボートに引っ張り上げられると、一気に脱力感が襲ってきた。これがラティング、これがザンベジ川なのだ。なんという恐ろしさ、そしてなんという面白さ!俺はすっかりこの川に魅了されてしまった。そしてそれは両想いだったことが後で証明される。
その後も急流アタックは続いたが、rapid#15;TERMINATORで前列にいた黒嶋さんがバランスを失い、後列の俺のところまで転がってきた。彼を支え、「だめですよ黒嶋さん、もっと踏ん張ってないと。」とエラそうにレクチャー。しかしrapid#16;TERMINATOR 2では、そのMaruの姿はなかった。文字通りボートに「いなかった」のだ。
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