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ヴィクトリアフォールズ3日目、朝8時30分にヘリコプターに乗る迎えが来た。ホテルから飛行場までは15分ぐらいだった。町の中心地からは5kmぐらい離れているだろうか。結構立派なゲストハウスがあり、そこで簡単なチェックインを終え、順番を待った。
僕はカメラのセッティングをし、Maruも左手にビデオカメラをハンカチでくくりつけ、右手には一眼レフを握っていた。高所恐怖症のゆうさんは、「いくややなー」とビクビクしながら、その順番を待っていた。ゆうさんが高所恐怖症であるということは、知っていたので、「一人で待っていてもいいよ」言ったのだが、1人で居るのも寂しいと、一緒に乗ることになった。
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さあ勝負だ!とくまるひろし!
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絶対に左に座るべきだった
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飛行時間は15分。それでも1人US80ドル。だが、せっかくここまで来て、ヴィクトリアフォールズを空から見ない手はない。ロンリープラネットにも空中から撮影したヴィクトリアフォールズの写真が載っている。こんな写真が撮りたい、と心から思っていた 。
「この写真で勝負だ!」
Maruもきっとそう思っているに違いない。負けるわけにはいかない。この日のために、僕は日本で、カメラのレンズを一本購入してきた。カールツアイス・ディスタゴン25mm 2.8f。ドイツ・カールツアイス社設計の広角レンズである。中古で5万円もしたが、ディスタゴンのシャープな描写力は、大瀑布ヴィクトリアフォールズを撮影するには、もってこいのレンズであった。
我々のヘリコプターがやって来た。燃料補給を終えたヘリに係員の指示で乗り込んだ。ヘリは6人乗りだった。ビデオカメラを持ったMaruは、パイロットの隣に。僕とゆうさんは、後部の右側にそれぞれ乗り込んだ。我々の他にも、外国人の夫婦が乗ってきた。いよいよ出発だ。プロペラの音が一層激しくなり、機体が宙に浮いた。離陸成功だ。思ったほど怖くない。地上50m程の高さを飛行して、ヘリはヴィクトリアフォールズへと向かった。高所恐怖症のゆうさんも、あまり怖がってはいなかった。
カメラを構え、僕は失敗したと思った。ヘリの飛行場はヴィクトリアフォールズの西側に位置している。北から南へ流れているヴィクトリアフォールズは、飛行場から滝へ向かうと、ヘリの左側。つまり、右側に座った僕たちには、ちょうど反対側になり、左の位置からしかよく見えないのだった。最大のミスだった。パイロットの左側に座っているMaruならよく見えるだろう。
やがて、機体がヴィオクトリアフォールズに近づいた。隣の外国人の客は、パチパチと写真を撮っていた。僕は、それを眺めているだけだった。
ヘリは滝の周りを1周し、機体を反転した。やっと右側の僕たちにも見えた。ヘリは8の字に飛行していたのだ。眼下には、雄大な光景が広がっていた。真っ赤な大地に入った大きな亀裂に大河が流れ落ちている。幅1700mの大河。その大河の55万トンの水が、そのまま落差100mの断崖へと落ちているのである。大きな水柱が100m程の高さにまで上がっている。しかし、僕にはそんな風景に浸っている暇はなかった。カメラの絞り値を8にセットして、カメラのシャッターを切り続けた。カシャーン、カシャ−ン!無我夢中で撮り続け、36枚撮りのフィルムは一瞬でなくなってしまった。ヴィクトリアフォールズを一周すると、ヘリはザンビアリバーの上流へと飛行していった。ヴィクトリアフォールズ上のフライトは、せいぜい10分ぐらいだった。わずか15分のフライトなので仕方がない。ザンビアリバーの上空のフライトを終えると、ヘリコプターは飛行場へと戻った。
しかし、僕には自信がもてる写真が撮れた気がしなかった。「左側に座っていれば・・ 」悔いが残った。失意のまま、ヘリコプターは無事、飛行場に着陸した。
僕の自分の写真は納得がいかなかったが、Maruはビデオカメラを撮影しながら、写真も撮るという2刀流だったので、あまりいい写真は撮れなかったらしい。最終的には、2000年の年賀状で決着がつけられる。
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